世界の国々の体制には様々なものがあります。

 

今回はその中でもほとんどの国が名乗っている『共和国』について、意味や仕組みなどを簡単にわかりやすく解説していきます。

 

共和国とは?

 

共和国とは、共和制をとる国家を指します。

 

共和制とは君主をいだかない国家。つまり王がいない国ということになります。

 

共和国には王の代わりとして大統領が存在する国がほとんどです。

 

一方、共和国の対義語は君主国で、こちらは王がいる国家のことです。

 

現在の君主国のほとんどは日本の天皇やイギリスの女王のように権威は持つものの権力は持たない立憲君主制国家になっています。

 

君臨すれども統治せず、という有名な言葉もあります。

 

こういった国では国民から選挙によって選ばれた議会や首相が力を持っているので、共和国と君主国の違いは民主主義の有無ということではありません。

 

そもそも共和国という言葉そのものが、古代中国である王様が暴政を行ったため諸侯らによって追放される出来事に由来します。

 

そのあとしばらくの間は有力者が集まって合議して国を運営していました。

 

その時代を共和と呼んだことからrepublicという言葉の訳語に選ばれたのです。従って共和国は君主の有無で定義されます。

 

共和国の種類と仕組み

① 自由主義国・資本主義国

現在の一般的な共和国は自由主義国・資本主義国です。

 

アメリカやフランスなどがこれに当たり、民主的な選挙によって選出された大統領が国家元首となります。

 

大統領の権限に関しては国によってさまざまな形態があり、その点でさらにこのグループは細分化されます。

 

一つ目は大統領が議会から独立し大きな権力を持っている国です。

 

代表的な例はアメリカです。大統領は行政府の長として、また国家元首として仕事をします。

 

日本でいうと首相と天皇の両方の役割を担っているというわけです。

 

ただし、アメリカ大統領は議会とは関係がないので立法権はありません。

 

日本のように議院内閣制における首相が国会議員でもありかつ内閣にも法案提出権があるので立法にも関わることができる制度とはその点で違ってきています。

 

その意味でより三権分立が厳格化されていると言えるでしょう。

二つ目は大統領と議会がそれぞれ権限を持っている国です。

 

代表例はフランスやイタリアになります。

 

こういった国では大統領は国家元首としていくつかの機能を有し、議会から選出された首相が行政権を握っています。

 

従って大統領のいる議院内閣制を取る国家です。大統領と首相の権限はそれぞれの国によって違っています。

 

フランスの場合、大統領は外政、首相は内政といった住み分けがなされています。

 

また、イタリアでは大統領は国家元首としての権威と持つとともに議会の解散権や議会に議席を持たない人物を特例的に首相に任命できる権利など重要な局面で活用される権限を持っています。

 

しかし、ほとんどの行政や軍事の権限は首相が握っています。

 

他にはドイツのように大統領は国家元首としての権威者であるだけで首相が行政権を握っている国やそもそも大統領がいない国など自由主義国の共和制の形には様々なものがあります。

 

それぞれの国の歴史的経緯から最もふさわしい、有効だと考えられる形がとられていると言えるでしょう。

 

共和国というのは細部に関しては柔軟にとらえてよい存在なのです。

 

②社会主義共和国

さて、自由主義・資本主義以外の国でも共和国を名乗ることがあります。それが社会主義共和国です。

 

社会主義系の共和国は人民共和国と名乗る国がほとんどです。

 

冷戦も終了し、ソ連まで崩壊してしまった現在ではほとんどこのグループに分類される国は残っていませんが、かつて東欧にあったソ連の衛星国は軒並み人民共和国がついていました。

 

しかし、現在でも日本の近くにはいくつか残っています。

 

例えば、中国と私たちは略称で呼んでいますが、この国の正式名称は中華人民共和国です。

 

また、北朝鮮も朝鮮民主主義人民共和国が正式な呼び名です。他にもベトナムはベトナム社会主義共和国ですしラオスはラオス人民民主共和国です。

 

中国、ベトナム、ラオスに共通しているのは一党独裁体制の国家である、ということです。

 

細かな違いはありますが、政治的には対立意見を持つ他の政党の存在を認めず、経済的には市場経済を導入している国々です。

 

国家の指導者は独裁している党のトップが務めています。またトップは世襲ではありません。共和国は君主を持たない国という意味ですから、これらの国が共和国と名乗ることには何の問題もありません。

 

しかし、北朝鮮は建国以来、金日成・金正日・金正恩と3代に渡り金氏が世襲で国家指導者の地位についています。

 

君主という立場にはたってはいませんが実質的には君主的な存在です。

 

従ってこの国も共和制に入れてもいいのかどうかはグレーゾーンになります。

 

イスラム共和国

共和国の中にはイスラム共和国を標榜している国もあります。

 

イランやアフガニスタン、パキスタンはそれぞれイスラム共和国を名乗っています。

 

こういった国はイスラム国家としてイスラム教が国法や政治に深く関係しています。

 

中でも代表的なのはイランです。

 

イランではイスラム法学者が最高権力者として統治しています。

 

これは最高指導者にあたる法学者の解釈が神の意思に従うと考えられているからです。

 

大統領は国民の選挙によって選ばれますが行政府の長として存在するだけで、この最高権力者が大統領より上位に存在し、国家元首に相当します。

 

従ってイランにおける大統領は他国における首相と同じような位置づけになります。

 

狭義の共和国

 

前項でみたように共和国を君主のいない国と定義すると非常に広い範囲になります。

 

ただ、一般的に共和国と聞いてイメージされるのは前項における①のケースでしょう。これは狭義の共和国と言えます。

 

共和国は君主がいない国ですが、それは同時に国民が権力に縛られず自由であることも意味していると考えられることが多いからです。

 

フランス革命のように市民革命が起きると王政が打倒され、その王のいない共和制の国が建国されます。

 

現在世界中に存在している共和国はこのような形や、植民地になっていた国が独立をしたことでできた国であり、他者から支配されることから解放されることを目的としているので、共和国と自由主義は密接に関係していると言えます。

 

もちろん君主国でも立憲君主制を取っている国は国民の自由が保障されているので、自由主義=共和国かというとそういうわけではありません。

 

ただ共和国側から見ると自由主義との関連は深いと考えられます。

 

共和国の一覧

 

数が多いパターンもありますので、主な国になりますが、共和国の一覧を挙げておきます。

 

①大統領が議会から独立して強い力を持っている国

→ アメリカ・メキシコ・ブラジル・韓国・フィリピン・インドネシアなど

②大統領と議会が権限を持っている国

→ フランス・ロシア・モンゴル・エジプトなど

③儀礼的な大統領がいる国

→ ドイツ・イタリア・インドなど

④社会主義共和国

→ 中国・ベトナム・ラオス

⑤イスラム共和国

→ イラン

 

まとめ

 共和国とは君主を持たない国のこと。

 君主の有無で分類されるので必ずしも民主主義国でなくても共和国と言うことはできる。

 自由主義的な共和国における君主の役割は選挙で選ばれた大統領が担う。

 大統領の権限は国によって違っている。

 社会主義やイスラムを掲げる共和国もある。

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