NHK大河ドラマ『麒麟がいく』の展開が毎回見逃せないものとなってきましたね。

 

今回の大河ドラマ『麒麟がいく』で、明智光秀以外の戦国武将も気になってきている人も多いのではないでしょうか?

 

2020年の大河ドラマ『麒麟がくる』は、戦国武将・明智光秀(あけちみつひで)を中心に描かれた歴史ドラマとなっており、舞台は時の争乱真っただなかの戦国時代となっています。

 

 

大河ドラマ『麒麟がいく』では、明智光秀を取り巻く人物も数多く登場し、その中にはかの有名な戦国武将たちの名前もチラホラ・・・。

 

中でも、織田信長に仕え、日本で初の爆死をしたという稀代の悪党とも呼ばれる男・松永久秀(まつながひさひで)も登場します!

 

今回は、ドラマやアニメ、ゲームでも異彩を放つ松永久秀という戦国武将について、人物像や歴史年表を中心に余すことなく解説していきます。

 

松永久秀の生涯

(達磨寺にある松永久秀の墓 出典:Wikipedia

 

まず最初に、松永久秀(まつながひさひで)はどのような経歴の持ち主なのでしょうか。その経歴を追ってみましょう。

 

松永久秀の生涯年表

 

  • 1508~1510年 生まれる
  • 1533~1534年 摂津国の守護大名・三好長慶(みよしながよし)に仕える 
  • 1542年 武将としての活動も開始
  • 1549年 三好氏と寺社・公家の仲介役を果たす
  • 1551年 相国寺の戦いに参加
  • 1553年 三好長慶のいくない平定の折に、摂津滝山城城主となる
  • 1555年 六角義賢の家臣である永原重興に書状を送る
  • 1558年~1560年 北白川の戦いで三好長慶と足利義輝の和睦に尽力
  • 1563年 長男・松永久通に家督を譲る
  • 1565年 永禄の変で首謀者として疑われる
  • 1566年 室町幕府第14代将軍・足利義栄により、松永久秀討伐例が発布
  • 1568年 松永久秀、織田信長の家臣となる
  • 1572年 松永久秀、織田信長に敵対する
  • 1574年 松永久秀と織田信長の和睦。再度家臣として重用される
  • 1577年 松永久秀、織田信長を再び裏切り、信貴山城に立てこもりの末に自害(享年68歳)

 

松永久秀の生涯は、大悪党と呼ばれるのが不思議なくらい、かなり波乱に満ちています。

 

注目すべきは、織田信長に対する二度の裏切り行為の末に自害してしまう、というところにあると思います。

 

松永久秀の最期というものは、何かと歴史関連作品でもネタにされやすいのですが、いったいどんな人物なのでしょうか?

 

松永久秀の人物像と壮絶な人生

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(太平記英勇伝「松永弾正久秀」 出典:Wikipedia)

 

松永久秀といえば、聞いたことがある人もいるかもしれません。

 

大悪党と呼ばれ、かなりやりたい放題の伝説を生み出し、何かと話題の多い松永久秀ですが、実は出自がいまだに明らかになっていません。

 

さらに生年月日も定かではなく、生まれは1508年から1510年のどこかとされているのみです。

 

このことから松永久秀自身、身分が低い家の出身であったことがわかります。

 

また、松永家の家紋は蔦紋と呼ばれる日本十大紋のひとつなんです。エレガントなデザインである蔦紋を使う松永久秀の美的センスがうかがえます。

 

続いて、そんな松永久秀の波乱の人生について、簡単に解説していきます。

 

①三好長慶に仕える

(三好長慶 出典:Wikipedia)

 

松永久秀は、15331534年の間のどこかで、畿内(現在の奈良県から大坂・京都府にかけた地点)・阿波国(現在の徳島県)の守護代である三好長慶の右筆(いわゆる書記)として仕えていたとされています。

 

守護代とは、守護の代わりに各国の軍事的な行政官を担う役職です。

 

(※松永久秀が実際に三好長慶に仕えていたという資料での登場は1540年となっています)

 

しかし、松永久秀は右筆だけでなく武将としても戦場に出るようになり、自分の部隊を持つまでになります。

 

出自不明な松永久秀がここまでにのし上がったのは、松永久秀自身の能力の高さがあったからともいえます。

 

また、三好長慶自体が長年主君に仕える譜代や部下の家柄にこだわらない、という能力重視だったところもあったといえます。

 

②松永久秀、三好氏のお気に入りになる

主君である三好長慶は、1549年に政敵である室町幕府の13代将軍足利義輝と幕府ナンバー2の細川晴元を近江国(現在の滋賀県)へ追放します。

 

 

実質、天下を取ったも同然の三好長慶は、公家や寺社とも関係を持つようになります。そこで抜擢されたのが松永久秀です。

 

松永久秀は、公家・朝廷と三好氏の仲介役として、その抜群のコミュニケーション能力を発揮していくのです。

 

さらに松永久秀の三好氏内での昇進劇は続きます。三好長慶が、細川晴元と対峙する細川氏綱を担いで上洛した折に、三好家の課長に代わり一切を取り仕切る家宰(かさい)に任ぜられるのです。

 

松永久秀は、三好家の重要ポジションに上り詰めたことに間違いはありません。

 

③松永久秀、城主となる

三好家でも重要人物なった松永久秀は、ついに自分の城を持つことになります。畿内を平定し、摂津国滝山城(現在の兵庫県神戸市)の城主となるのです。

 

そして、最終的には三好家の右腕として、幕政にまで参加するほどに。

 

実はこの近辺に起こった北白川の戦いにおいて、三好長慶と足利義輝は和睦します。

 

三好長慶は幕府の権力を持つようになったことで、三好長慶の嫡男・三好義興(みよしよしおき)と共に松永久秀は足利義輝の御供衆(おともしゅう/将軍に非常に近い地位)となりました。

 

将軍直々に呼ばれ、主君の三好長慶からの信頼も厚かった松永久秀は、天下を左右するにまで至ったのです。

 

④主君の死と、あらぬ罪

しかし、三好長慶の周りで息子が亡くなるなどの不幸が重なり、ついに三好長慶自身も1564年に死去。

 

そこを狙うかのように松永久秀の息子ら三好三人衆が、足利義輝の暗殺を行ってしまいます。

 

そこで疑われたのが、そのとき大和国(今の奈良県)にいたはずだった松永久秀だったのです。

 

こうして、足利義輝暗殺に関わった三好三人衆と松永久秀が対峙。そして1568年に東大寺大仏殿が焼け落ちてしまうという前代未聞の戦いが起こりました。

 

何とか勝利を収めた松永久秀ですが、この時自身の城である信貴山城を失います。

 

その間、松永久秀は織田信長とコッソリやり取りし、生き残るために織田信長の家臣となったのです。

 

⑤織田信長を二度も裏切る

(織田信長 出典:Wikipedia)

 

松永久秀といえば、織田信長に二度の謀反を働いた豪傑としても有名です。

 

武田信玄ら反信長派の武将らとやり取りをしていたらしく、これが一度目の謀反の理由とされています。

 

しかし、信長包囲網が失敗した反信長派の武将たちは敗れ、松永久秀も降伏します。

 

再びここで家臣として召し抱えられるも、松永久秀は二度目の裏切りを行います。石山本願寺を責めていた時に、勝手に戦から離れ、信貴山城に立てこもるのです。

 

織田信長にも何故か謀反の理由を言わない松永久秀。

 

織田信長は、松永久秀の持つ茶器の名器である古天明平蜘蛛(こてんみょうひらぐも)の受け渡しで許すといったものの、交渉を拒否します。

 

結果、城内は火の海に。しかし、松永久秀は茶器をたたき割って、自害をするのでした。

 

不思議!松永久秀の死の謎

(平蜘蛛を割る場面 出典:Wikipedia)

 

このように、松永久秀の最期は自分のもつ名器・古天明平蜘蛛をたたき割った末、自害しています。

 

逸話では爆死とされていますが、これはあくまでも創作です。

 

落城後に首が4つ、安土城に持ち帰られていること、松永久秀の胴体は彼の宿敵であった筒井順慶(つついじゅんけい)が手厚く葬ったとされています。

 

しかし、辞世の句(最期の言葉)では、「この平蜘蛛(茶釜)と俺の首の二つは、やわか信長にみさせるものかわ」とされています。自身の首と名器は、織田信長に渡したくなかったのでしょう。

 

ちなみに、松永久秀の孫にあたる松永一丸は生き残り、質屋を営んで大儲けしたと言われているんです。

 

また、養子だった息子は出家し生き延び、後に俳人。松永貞徳と名乗っています。

 

(松永貞徳像 出典:Wikipedia)

 

茶器にこだわる理由は、お茶に精通してたから!?

(松永久秀像 出典:Wikipedia)

 

松永久秀のもう一つの顔は、なんと茶器コレクターだったこと。

 

松永久秀は、その出自からは考えられないほどの教養人でした。

 

さらに、茶器収集が趣味であり、世の中でも有名な茶器をいくつも持っていたとされています。

 

その中にあったのが、粉々に割れた古天明平蜘蛛だったというわけです。

 

麒麟がくるで松永久秀を演じるのは「吉田鋼太郎」さん!

大河ドラマ『麒麟がいく』で、戦国大名の中でも異彩を放つ松永久秀を演じるのは、俳優だけでなく演出家としても活躍されている、吉田鋼太郎さんです。

 

 

1959年生まれの吉田鋼太郎さんは、なんと劇団四季にも在団していた経験がある演技は俳優!

 

学生時代にシェイクスピア研究会に所属していた経験から、数少ない海外古典作品で必要な演技をこなせる役者でもあるんです。

 

独特の演技力を持つ吉田鋼太郎さんが演じる松永久秀は、どんなドラマを生み出してくれるのでしょうか?期待大です!

 

まとめ

まとめ

 

 松永久秀は、様々な歴史作品の中でも異彩の武将として描かれている。

 

 松永久秀の出自は定かではないが、三好長慶に仕えて権力を握っていく。

 

 三好長慶の死後は、将軍暗殺の疑いをかけられ、息子たちと対峙する。

 

 織田信長に仕えていたが、二度の裏切りを行う。

 

 松永久秀が、二度目の謀反をしたときにあった茶器のエピソードは有名。

 

 松永久秀は、能力に秀でているだけでなく教養人で、茶器コレクターだった。

 

 ドラマ『麒麟がいく』で松永久秀を演じるのは、海外古典作品も見事に演じられる吉田鋼太郎さん。