日本史の中の用語としてよく出る『金本位制』。

 

しかし、あまり内容がよくわからない人!という人が意外に多くいます。

 

そこで今回は、金本位制とはなんなのか?メリット・デメリットは?を中心に、兌換紙幣・不換紙幣についてもわかりやすく解説していきます。

 

そもそも金本位制とは

(明治時代の本位金貨 出典:Wikipedia

 

 

金本位制とは簡単にすると『貨幣を金と同じ価値にすること』です。

 

古代の人々は物々交換で欲しいものを手に入れていました。しかし、それでは交換したいものが必ずしも手に入るとは限りません。

 

そして人々は誰もが欲しがるようなものを持ちたいと思うようになっていきます。

 

そこで人々が目につけたのは『金(きん)』でした。

 

金は世界中を必死に探しても50メートルプール3杯分しかならないと言われており、しかも現在でもアクセサリーに使われるようにとても綺麗です。

 

そのため、金は希少価値がとても高く、世界の人々に価値があるものとして認められることになるのです。

 

例えば、江戸時代の小判の主成分は金です。 このように金は貨幣として使われていたのです。

※ちなみに、銀を使った仕組みは『銀本位制』と言います

 

兌換紙幣について

(日本銀行兌換銀券 出典:Wikipedia

 

 

しかし、金(もしくは銀)には重いという難点があります。

 

流石にいくらどんなものと交換できると言われても重いものをいちいち持っていかなければいけないとなると少し気が引けちゃうかも知れません。

 

そこで人々は紙幣というのを作ります。紙だったら薄いしとても軽いですから便利です。

 

しかし、紙幣にも問題点があります。それは価値がよくわからないという点です。

 

例えば今の時代だったら『一万円もらったら一万円分の物が買えるぞ!』となりますけど冷静になって考えてみてください。あれは結局紙ですよね?

 

紙ってみんながよく使っている原稿用紙とかテストの用紙と同じ。価値があるとは思えないです。

 

つまりは何かメリットが無ければ紙幣は原稿用紙やテストの用紙と同じただの紙になってしまうのです。

 

そこで人々はそんな紙に価値を持たせるため兌換紙幣というものを考案します。

 

兌換紙幣とはわかりやすく説明すると『金(もしくは銀)と交換できる紙幣』のことです。

 

こうすればただの紙に金と同じ価値を持たせることができるようになり、紙幣に信用が生まれることになるのです。

 

金本位制のメリット

 

 

金本位制(もしくは銀本位制)は日本を含むほとんどの国が採用していました。

 

その理由としてメリットが非常に多かったということです。

 

①紙幣の価値を高く維持できること

金というものはいつの時代も希少価値がとても高く、需要がとてもあるという点で価値は高いまま安定していました。

 

そのため、金と同じ価値を持っている兌換紙幣も信頼が高く維持できるのです。

 

②通貨の価値を安定させることができること

世界にはドル・円・ユーロなどさまざまな通貨があります。さらに通貨はドルを円に両替することができます。でも、通貨の価値はコロコロ簡単に変わってしまいます。

 

さらに、もし日本の景気が不安定だったら『日本の経済が落ち込んでいる…円の価値が下がりそうだから売るか…」となってしまいます。

 

円が売られていくとそこら中に円があることになるので希少価値がなくなり、円の価値がまた下がります。この状態をインフレーション(インフレ)と呼びます。

 

でも、円が兌換紙幣だったらたとえ日本の経済が不安定でもいざとなったら金と交換することができるため価値が無くなることがありません。

 

金本位制のデメリット

 

 

金本位制はとてもいいシステムですがデメリットもありました。

 

①金を持っておくことが難しい

金というものは綺麗だったのはもちろん、最初らへんに書いたように世界中からどんだけ集めても50メートルプール3杯分しかならないです。

 

だから、金はいくらほしくても手に入りにくい代物だったのです。

 

なので中国とかは金よりも手に入れやすい銀で代用していました。しかも時が経つにつれて取引の規模が広がると紙幣に対する金の量が足りなくなっていきました。

 

その結果、紙幣を作りたくても作れないという状態になりました。

 

②経済を調節しにくい

金の量が足りなくなってしまうと紙幣を作りづらいと書きましたが紙幣が作りづらくなって紙幣が少なくなると紙幣の価値がとんでもなく高くなり物の価値が低くなる『デフレーション(デフレ)』という状態になってしまいます。

 

デフレーションの問題点はお金を稼ぎづらいということと、企業がお金を借りにくいと言うことです。そうなると人々がお金をどんどん使わなくなってしまい、国内の経済が不安定になってしまいます。

 

このように金本位制にはメリットやデメリットがありましたが、金本位制は多くの国で採用されました。

 

しかし、現在では金本位制を採用している国はありません。

 

なぜ金本位制が廃れていったのでしょうか?

 

金本位制の衰退

(第一次世界大戦 出典:Wikipedia

 

 

金本位制は第一次世界大戦・世界恐慌のときに廃止されてしまいます。

 

 

世界最大の貨幣の両替市場であったロンドンが戦争により活動を停止したこと、各国間での兌換紙幣の輸送ができなくなったことが理由でした。

 

そして、各国は自由に紙幣を発行することができる『不換紙幣』に移行することになるのです。

 

不換紙幣について

 

 

各国が金本位制をやめて不換紙幣に移行しましたが、最後は兌換紙幣に変わって主流となりました。

 

不換紙幣というのは国の信用で紙幣の価値を決めるというものです。

 

今現在の日本はこの不換紙幣です。

 

不換紙幣の良い所は国の信用があればいくらでも紙幣を発行することができるということ。

 

だから、国内の経済をうまく調節することができて経済を活性化させることができるという訳です。

 

しかし、不換紙幣は発行する量を一歩間違えるとすぐ紙くずになってしまいます。

 

例えばジンバブエは需要に似合わないほど沢山紙幣を刷って紙幣の価値がほとんどない(スーパーインフレ)という状態になり経済は破綻しました。

 

なので金本位制とは違って不換紙幣は信用を無くさないよう、慎重に紙幣を発行しなければいけないという難点がありました。

 

 

まとめ

 金本位制は紙幣と金の価値を同じにして紙幣の価値を安定させるために考案された。

 ・金本位制によって紙幣は安定することができた。

 金本位制は自国の経済には不向きだった。

 金本位制は世界大戦と世界恐慌によって廃止された。

 今現在は自由に紙幣を発行することができる不換紙幣が主流になっている




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