【立憲君主制とは】わかりやすく解説!!メリットやデメリット・色んな政治体制など

 

公民や現代社会を学ぶときには政治システムというものを理解しないと大混乱してしまいます。

 

例えば、大統領制とか、立憲君主制とか、独裁とか・・・

 

日本はこの中では立憲君主制のグループに入っています。

 

さて、今回は日本がこの国の一つである『立憲君主制(りっけんくんしゅせい)』についてわかりやすく解説していきます。

 

立憲君主制とは

 

 

立憲君主制とは、君主と呼ばれている人がいてさらに立憲制度が整っている国のことです。

 

(※君主とは、世襲により国家を治める最高位の人:王・帝王・皇帝・天皇など

 

君主も憲法を違反することができない状態にすることで、君主が暴走しなくすることができます。

 

イギリス・日本・スペイン・北欧諸国がこの立憲君主制をとっています。

 

立憲君主制の誕生

 

 

17世紀ごろのヨーロッパでこの立憲君主制が生まれました。

 

それではどうして生まれたのかをみてみましょう。

 

むかーしむかし、ある王国に国民がドン引きするぐらい乱暴者の王様がいました。

 

この王様は自分が思い通りになるような法律や制度をつくっていき、国民を苦しめていました。

 

しかし、多くの人が王様のことを好きでした。

 

王様は嫌いなところがいっぱいありましたが、王様がいるからこそ、国が成り立っていて国民たちが自分の祖国を誇れると思っていたからです。

 

だから、みんなどうすればいいのか困っていたのです。

 

そんな時とある国民が「そうだ!王様も守らなければならない法律を作ろう!」と思いつきました。

 

国民たちはそれに賛成。こうしてみんなで考えて新しいルールを作りました。これが憲法です。

 

その憲法には『この憲法は王様も守らなければいけない』『国民が納得しなければ税金を上げることができない』『政治は国民がやっていく』とかのさまざまな内容が書いていました。

 

王様はそれを拒否するだけの勇気はなく、泣く泣くこの憲法を認めました。

 

こうしてこの国は王様はいるけど憲法に従わなければいけない状態になりましたとさ、めでたしめでたし...

 

こんな感じにヨーロッパの諸国は王様はいるけどその上に憲法があって王様が好き放題できない状態にしていきました。

 

この状態をうまく表したフレーズで『王は君臨すれども統治せず』というのがあります。

 

立憲君主制のメリット・デメリット

①立憲君主制のメリット

立憲君主制のメリットはいざとなったら君主がなんとかしてくれるという点です。

 

例えば戦争が起こってしまった場合、国王がやってきて『皆の者!この国をなんとしてでも護り抜くのだ!』と言われたらたとえ法律があっても国民が全員従います。

 

このようにいざとなったら本気を出しやすいのが一番のメリットです。

 

後は君主がいることによって安定した状態になります。例え首相がコロコロ変わっても君主は退位するまでそのままです。

 

②立憲君主制のデメリット

デメリットといったら、やはり大規模な改革がやりづらいという点です。

 

独裁や絶対君主制の場合は国王の命令が法律みたいなものですからすぐに命令を出してすぐに行動に移すことができます。

 

独裁制の最大のメリットとも言えます。

 

もしも独裁者が頭が良くて国民のことを思ってくれる人だったらその国はすぐに最高の国になることができます。

 

旧ユーゴスラビアの大統領であったチトーという人は圧倒的な才能であのヨーロッパの火薬庫と呼ばれていたバルカン半島をうまく抑えていました。

 

しかし、立憲君主制の場合はとんでもなく悪くなることはないけど、とんでもなく良くなることはないのでそこがデメリットと言えます。

 

立憲君主制と大統領制

①大統領制とは

立憲君主制とは全然違う政体として大統領制があります。

 

アメリカ・フランス・ロシアなどがこの政体をとっています。

 

大統領制の一番の特徴は国の一番のトップは国民だということ。

 

たとえ大工でも警備員でも教師でも立候補して大統領になればその国のトップになることができます。

 

しかし、デメリットとして政治が不安定になりやすいというのがあります。

 

例えば、第一次世界大戦が終わった直後のフランスは一年もしないうちに大統領がコロコロ変わっている状態でした。

 

この状態では満足に政治を動かすことが出来ず、やがてフランスは第二次世界大戦中、ナチスドイツに呑み込まれてしまいました。

 

 

②立憲君主制の国か大統領制の国かの見分け方

そういえばイギリスや日本って大統領はいませんよね?

 

実はイギリスや日本は立憲君主制なので大統領はいないのです。

 

そのかわり首相が行政権のトップにいます。

 

なので国際会議に参加している国の一番のトップが大統領ならその大統領が統治している国は大統領制、首相ならその首相が統治している国は立憲君主制だとすぐにわかるようになります。

 

(ただしドイツの場合はちょっと特殊だから注意してね。ドイツは一応大統領制)

 

さまざまな政治体制

 

 

立憲君主制と大統領制を説明していきましたが、世界には国々はさまざまな政治体制をとっています。

 

それらを見ていきましょう。

 

①政党独裁

中国・キューバなどはこれに当たります。

 

社会主義国家によく見られる体制で、ひとつの政党が国のすべての権限を持っている状態です。

 

②個人独裁

ジンバブエがこれに当たります。

 

この国はムガベ大統領という人がジンバブエ独立から35年以上も権力を持っていました。

 

さらにタチの悪いことにこのムガベ大統領は経済を大混乱させてしまい、国をめちゃくちゃにしてしまいました。

 

③絶対君主制

サウジアラビアなど中東の王国がこれに当たります。

 

王様がすべての権限を持っている体制です。

 

中東の王国はイスラム教がすべてとなっており、法律や憲法もイスラム教にのっとって作られているほどです。

 

しかし、その分王族の人たちは権力を無駄遣いしないようにしつけられています。なのでそこまで無茶苦茶な政治はしてません。

 

 

まとめ

 立憲君主制は君主と呼ばれる人がいる上で憲法を制定している状態のこと。

 立憲君主制はイギリスや日本などの国が採用している。

 立憲君主制は『立憲君主制は王は君臨するけど統治せず』と呼ばれるように君主の政治的な権利をなるべく無くして国民が政治をしている。

 立憲君主制とまったく違う政体として国民が国のトップになれる大統領制がある。

 そのほかにも政党独裁などさまざまな政治体制が世界で採用されている。