歴史を学ぶ上で1番最初の時代が旧石器時代です。

 

まだ土器を作る技術がなく、石を使って生活していたため、無土器時代とも呼ばれることもあります。

 

今回はこの日本の旧石器時代の暮らしぶりを徹底的に解説していきます。

 

旧石器時代とは?

 

 

地質学的には氷河時代のあたりで更新世から完新世の初めまでの期間を指します。

(※日本では人類が移住してきた頃から1万6000年前だとされています)

 

当時の地球は氷河期間氷期を繰り返していました。

 

ユーラシア大陸と日本列島は陸続きになっており、大型哺乳類がたくさんいたため、それらを追いかけて私たちの祖先は日本にやってきました。

(※人類は航海して日本にやってきたという説もあります)

 

また、旧石器時代には、1946年に群馬県の岩宿(岩宿遺跡)相沢忠洋関東ローム層という赤土の地層から石器を見つけたことで発見されました。(何が発見されたのか?)

 

それまでの日本では気温も寒く、火山の噴火などの影響から旧石器時代は無かったと考えられていたのです。

 

旧石器時代の生活の特徴

①使われていた道具

この頃に使われていた道具は打製石器と呼ばれる石器です。黒曜石やサヌカイト、安山岩、頁岩を動物の骨や石で打ち欠いて作られました。

種類は使用法や大きさごとに大きく4つに分けられます。

✔ ハンドアックス

→石斧など手で握って使っていました。

✔ ブレイド

→切る、削るなどに使っていました。ナイフ型石器などを指します。東日本を中心に作られ、後に西日本に広がりました。

✔ ポイント

尖頭器とも呼ばれ、木の枝などに付けて槍のようにして使っていました。

✔ マイクロリス

細石刃と呼ばれ、小さい石器で木の枝にはめ込むなどしてのこぎりのようにして使っていました。脆いですがその分鋭いのが特徴です。北海道で先に作られ、その後本州でも細石刃石器群が展開しました。

大型の獲物が多かった頃は比較的大きい石器が作られていましたが、それらが絶滅すると中小型哺乳類を狩るために小型の石器が作られるようになりました。

 

その小型な石器は、矢じりの先に使われていましたが、弓矢による狩りはまだ行われていません。

 

3万5000年前には一部だけ磨いて作った局部磨製石器が発見されています。

 

また、地域ごとで少しずつ異なる石器も発見されており、人類が移転しながら生活をしていたことが分かっています。

 

これらの石器を使って狩猟、調理、木の皮を採集したり動物の皮をなめして防寒服にしていたと考えられています。

 

②当時の食べ物

気候も安定せず、移住生活を送っていたので農業はまだこの頃は始まっていませんでした。

 

そのため、この頃は狩猟と採集によって食料を確保していたことが考えられています。

 

狩猟ではナウマンゾウマンモスヘラジカなどが標的で、大型哺乳類を食べていました。

 

それらが気候の変化で絶滅した後はニホンジカ、イノシシ、ノウサギなどの中・小型哺乳類を狩猟していました。

 

漁をしていた証拠は少ないですが、海沿いではモリのような石器が見つかっていることから魚を採っていたと考えられています。

 

また、石器が狩猟向きのものが多く発見されているため、食糧確保は主に狩猟だったとされています。

 

採集では旧石器時代の人類はクルミなどの木の実やミズキの種を食べていたと考えられています。

 

まだ土器がない時代ですので、アクの強いドングリや煮炊きの必要な食べ物は食べられていなかったと考えられていましたが、火が使われていた痕跡があることから肉を炙るなど調理をしていたようです。

 

③住まい

 

当時の人々は、見晴らしのいい台地や丘陵、段丘、高原に住んでいたと考えられています。

 

獲物を追いかけて狩猟する生活だったためテントのような家を作って住んでいました。また、一時的に岩陰や洞穴も使っていました。

 

生活の場としての拠点遺跡、獲物を解体していた解体場遺跡石器製作場遺跡があり、このことから拠点から一定領域を季節や獲物に合わせて移住しながら生活していたと考えられています。

 

また、数少ない例ですが大阪のはさみ山遺跡からは簡単な造りの竪穴式住居が発見されています。

 

旧石器時代の前半では人類は広く分布していましたが、気候が温暖化したことで後半にかけては河川流域に集中して住むようになりました。

 

そのため人口も増えたと考えられています。

 

それまで狩猟生活を営んできましたが、定住化していったことで縄文時代の文化を築く礎になりました。

 

④気候

平均気温は現在よりも78℃低かったと考えられています。

 

氷河期と間氷期を繰り返していたため、気候の変化が激しく噴火や地殻変動が多く起こりました。

 

氷河期で氷が増えると海面が低くなり、今よりも日本は広く、大陸と繋がっていました。

 

しかし、今から25000年前、最終氷河期であるヴェルム氷河期の終わり頃から間氷期への変化で暖かくなり、氷が溶けたことで海面上昇が起こりました。

 

このことは人類だけでなく、植物にも影響を与えました。

 

それまで針葉樹林が広がっていた地域にも次第にコナラやクヌギなど広葉樹林が日本を覆うように自生しました。

 

また、海面上昇に伴って貝類や魚が生息する湾もできました。

 

⑤風習

土抗墓が発見されており、この頃すでに死者を埋葬する風習があったとされています。

 

死者の生前身につけていたものを副葬品にしていました。

 

⑥流通

伊豆諸島で採れた黒曜石が関東で発見されていることや、日本で作られた石器がシベリアで発見されていることから航海技術があったと考えられています。

 

旧石器捏造事件

2000年に発覚した事件で、藤村新一が土器をあらかじめ埋めておいたのを発見したかのように捏造した事件です。

 

使われた土器はほとんどが縄文時代に作られたもので、それまで発見されてきた遺跡が旧石器時代ではないと否定されました。

 

そのため、日本には確実な前期・中期旧石器時代の遺跡はないとされています。

 

まとめ

 旧石器時代とは更新世から完新世のことで相沢忠洋が岩宿遺跡で関東ローム層から石器を見つけたことから発見された。

 旧石器時代には打製石器が使われており、この石器は4種類存在し、主に狩猟のために使われていた。

 旧石器時代には、狩猟中心でナウマンゾウやマンモス、ヘラジカなど大型哺乳類を食べていた。それらが絶滅すると中小型哺乳類を食べていた。植物はあまり食べられていなかった。

 旧石器時代は気候の変化により、海面上昇が起きて広葉樹が多く広がった。

 この時代は獲物を追いかけて移住していたため、拠点遺跡から一定領域をテントのような家を作って暮らしていた。一部の遺跡からは竪穴式住居も見つかっている。

 旧石器時代には死者を埋葬する風習があった。

 旧石器捏造事件の影響で日本には現在、前期・中期旧石器時代の遺跡はないとされている。




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